お墓参りになくてはならないお花ですが、その種類について気になったことはありませんか?
お店や花屋さんで売られているものの多くは仏花と書かれていて菊などのお花が使われていることが多いですよね。
でもせっかくお供えするのだからもっと華やかなお花を供えたい、故人が好きなお花で墓前を囲んであげたいと思いますよね。
実はお供えのお花は特に決まりというものはないので、基本的には好きなお花で問題ないのです。
しかし、お花の種類や特徴によってはお供えに適さないお花もあるので注意が必要です。
お供えに適さないお花の種類やについて紹介します。
また、お墓のお花は左右同じものをお供えするのが一般的になってはいますが、左右対象でなくてはならないのかという疑問についても答えていきたいと思います。
お墓参りのお花の種類は決まりがあるの?
お墓参りに行く前に、お供えするお花を用意すると思いますが、あらかじめ仏花としてまとめられているものが並んでいることが多いですよね。
しかし、お墓参りの時のお花の種類は特に決まりがないので、お花屋さんの場合は自分の好きなお花で、お供え用のお花を用意することができます。
自宅でお花を育てている方などは自宅で準備するのも素敵ですね。
基本的にどんなお花でもいいわけですが、お墓参りに適さないお花の種類というのも実はあります。
それは、お供えをすることで故人やご先祖様に失礼に当たるようなものや、不吉なものを連想させるようなお花です。
具体的なお花の種類と理由について詳しく解説していきますね。
①とげのある植物
とっても存在感のあるバラなどはお墓の周りも一気に華やかになりますが、棘のある植物はお供えに不向きです。
これはとげが刺さることで血が出てしまう可能性があるということで失礼に当たるとされています。
②赤い色の花
赤は血液を連想させる色であり失礼に当たるとされています。
③毒性のある植物
これはそもそもあまり候補にあがらないかと思いますが、毒性のあるものは失礼にあたりますし、毒死で血を吐いてしまうということで失礼とされています。
④ツル植物
ツルは絡みつく性質があり、昇天できないということからお供えには不向きな植物です。
⑤鉢植え植物
せっかくなのでいつまでも楽しめる鉢植えを、と思った方もいるかもしれませんが、土には肥しとして糞便や魚の骨などが混ざっていることもあるため、お供えとしては不適切とされています。
また、しっかり根を張る鉢植え植物は、不幸の連鎖や不幸なことが長続きするといった意味合いにとられることがあり、お墓のお供えとしては不適切です。
⑥臭気が強い花
香りがとても強いお花や植物、そのほか花粉の飛散が激しいようなものは周囲のお参りの方の迷惑になりますのでさけるようにしましょう。
⑦ツバキ・サザンカ
これらのお花の特徴として、お花が枯れるときには一気に落下します。
その光景から、首がもげるイメージや即死を連想させるとの理由からお墓参りのお花には適しません。
⑧熟した実がなるようなもの
実があると、そこには虫が集まり不浄とされます。
また汚れたり腐ると不潔になるので、お供えのお花には適しません。
こうして並べてみると、たくさんのお花が不適切な印象がありますが、私たちの身近にあるお花たちの中にも適切なお花はたくさんあります。
例えば道端でよく目にするような野草などもお供えのお花としては問題ありません。
思い出の地に生えている野草をお供えするというのも故人との思い出がよみがえってくるようでとてもすてきだと思います。
お墓参りのお花は造花を持っていっても大丈夫?
お墓に供えるお花を造花にするということを考えたことはありますか?
お供えするお花のお花の持ちは気になりますよね。
せっかく持って行ったお花はできるだけ長く綺麗であってほしいです。
特に真夏などの暑い時期では、あっという間にお花が枯れてしまいますね。
また、寒冷地の中には、雪深くなり、お墓参り自体に長期間行くことができないという地域もあります。
そんな状況もあるので生花ではなく造花をお供えするという方法をとっているところもあります。
地域によってはメジャーだというところもありますが、実際には意見が大きく分かれるのがこの造花をお供えするという方法です。
そもそもお供えに造花が使われだした経緯には、寒冷地や豪雪地などではその間お花の入手が難しかったからといわれています。
近年お供えに造花をつかわれる方は、すぐに枯れてしまう生花よりも長くきれいに墓前を飾っておける造花のほうがいいのではないかという思いがあります。
いつでもきれいに墓前を飾ってあげたいと故人やご先祖様を思っての造花という選択ですが、造花では失礼に当たると考える方もいます。
造花が失礼に当たるというのは何事においても自然のままであるのがよく、すべては諸行無常、諸法無我、一切皆空の教えからきた考え方です。
花が枯れるのは当たり前のことで、お花が長持ちするかどうかではなく、生花をお供えすることに意味があるということですね。
一見全く反対の意見のように見えますが、それぞれどちらも故人やご先祖様を思うという気持ちに変わりはありません。
こうした風習や考え方は、地域でかなりの差があります。
せっかくの気持ちが失礼だと捉えられてはとても悲しいですよね。
造花のお供えを考えている場合は、地域の詳しい方や、お寺の住職さんなどに聞いてみるのがいいでしょう。
お墓参りの花は一対で供えなければだめ?
お墓のお供えのお花の種類などについてわかってきたところで、お供えの仕方についてご紹介します
お花の供え方として墓石を挟むように2カ所のお花をお供えするところがほとんどですよね。
そのため、同じお花を2つ購入し左右対称にする方もいれば、一束を購入しそれを二つに分けてお供えするという方もいます。
実は両方同じお花を入れなくてはいけない決まりはありません。
それぞれ違うお花で飾るという方法をとってもいいわけです。
この左右対称のお花を飾るという風習ができたきっかけは単純に左右対称が見栄えもうつくしいという理由もありますが、ほかにも理由があるとされる説があります。
左右対称の形を「シンメトリー」といいますが、この形は円に通じる形でもあり、そこから均一・永遠・不変という発想が生まれています。
そのため、シンメトリーにするほうが縁起がいいとされています。
そういわれてみるとお墓の墓石の形などもシンメトリーになっていますよね。
特に対でお供えしなくてはいけないという決まりはありませんが、対のほうが見た目にも美しく縁起が良いとさえているなら、同じものをお供えするのがいいでしょう。
しかし、特に故人がお花が好きな方だったり、お花のお供えをこだわりたいという方は、いろんなアレンジを加えてお供えするもの素敵です。
とっても上級者のお供えですが、左右のお花で一つの花束になるようなアレンジを加えてみるのもいいかもしれませんよ。
お花屋さんに相談してみるのもいいかもしれませんね。
まとめ
お墓参りの際のお花のお供えの種類は特に決まりがなく、必ず仏花でなくてはいけないという決まりはありません。
そのため故人やお参りの方が好きなお花をお供えしても問題はありません。
しかし、お花の種類や特徴によっては、お供えに適さない種類もあるので注意が必要です。
中にはお供えのお花に造花を選ばれる方もいますが、地域によっては賛否が分かれる結果となっています。
一般的なお墓には。お花をお供えする箇所は2つあり左右対称で同じお花をお供えする風習が広がっていますが、これにも明確な決まりはりません。
左右対称であるシンメトリーは円に通じる形であり、連鎖や不変といった発想を連想させるため縁起がいいとされています。
お花の種類をはじめ、造花を選択するかどうかや、お花のお供えの方法まで紹介してきましたが、これらは各地域の風習によってかなりの差があり、方法もたくさんあります。
お墓参りの方法が知りたいと思ったときには、まずは親戚やお墓を管理されているお寺などに確認してみるというのも一つの方法でしょう。
ですが、すべてのことにおいて一番大切なことは、故人やご先祖様を大切に思う気持ちです。
ある程度の形やマナ-は必要ですが、眠っておられる故人を想って、心のこもったお参りをするようにしましょう。